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朝日名人会 [お仕事]

6月18日
有楽町マリオンの朝日ホールの第110回『朝日名人会』へ。
第101回以来の出演。
前回は二ツ目さんの次の浅い出番だったが、今回はクイツキ(仲入り後すぐの出番)だ。
仲入り前が雲助師匠で、ブーのあとがトリの小三治師匠。
落語協会の王道のような師匠お二方に挟まれて、正直ちょっと緊張した。
出演オファーをいただいた時に、プロデューサーの京須さんが
「お二人の間で生志さんらしさをみせてください」と言ってくださったのが嬉しくて、
その期待に応えたいという、別の緊張感もあった。
袖でみていた雲助師匠の『佃祭』がさすがの高座で、
更に緊張しそうになったので、楽屋に戻って支度を始めた。

ブーが着物に着替え終えた頃に、小三治師匠がおみえになった。
「一昨年の池袋文芸坐以来です」とご挨拶すると、「そうかい」と軽く返事をしてくださった。
その時に演った『井戸の茶碗』について
「なかなかいいねぇ」と、文芸坐のN支配人におっしゃったことはお忘れでしょうが、
ブーは今でもありがたく、嬉しく、勝手に自分の勲章だと思っております。

仲入りのあといよいよ出番。
ここまで5分おし。
持ち時間は25分… 詰めた方がいいのか?
既に小三治師匠は楽屋にいらっしゃるし、お客さんもトリをお待ちかね…
うわぁ~緊張MAX! …は、袖で草履を脱ぐまで。
高座に上がれば、いつもの自分、生志の落語世界を楽しんでもらうしかない。
マクラで原発ちょいふりの政治家のスキャンダルから、男と女、愛人ラマン、なんてネタで笑わせながら、
ネタ出ししてある『悋気の独楽』に突入。
かなりプロレタリアな定吉にした。
受けた。
笑っているお客さんの顔がよく見えた。
初めムッとした表情だった人も笑っていた。
喜んでもらえたようだ。
下がる時の拍手が気持ちよかった。

袖で時計を見ると、詰めるどころか持ち時間をちょっとだけオーバーしていた。
いけねぇ!しくじったか!?
慌てて楽屋に駆けて行って、
小三治師匠に「お先に勉強させていただきました。時間を伸ばしまして申し訳ありません」と頭を下げた。
黒紋付き姿の師匠は黙ったまま椅子から立ち上がって歩き出したかと思うと、
小さく頷きながら、ブーに一言おっしゃった。

「面白かったよ」

最高に嬉しかった。
ブーにとっての勲章がまた一つ増えた。

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コメント 4

奈瑠実

お久しぶりです[わーい(嬉しい顔)]
緊張感がバンバン伝わって来ました[あせあせ(飛び散る汗)]その中で自分の落語がきちんと出来るなんて、さすがプロ!『面白かったよ』と言われた時の表情も想像出来ました!
by 奈瑠実 (2011-06-21 06:49) 

ふぅ〜こ


文章も、落語のように情景が浮かんで
私もドキドキ。。

勝手ですみませんが
師匠からの言葉、私も嬉しくなってしまいました。




by ふぅ〜こ (2011-06-21 08:57) 

こみち

うれしいご褒美でしたね

尊敬する先達の気持ちのこもった一言は
なにより嬉しいもの。
人の温かみを感じる素敵なキャッチボールだと思いました。

『にぎわい日和』『ひとりブタ』ともに
楽しみにしてますよ~♪
by こみち (2011-06-21 17:54) 

neko-ree

師匠、本当に面白かったです。

市川雷蔵の円月殺法と日本のラマンは大爆笑しました。

本日の独演会も楽しみにしております。
by neko-ree (2011-06-22 09:23) 

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