浅草で

８月２２日
日本舞踊萩井流の年に一度のイベント、
『萩井流ゆかた会』が浅草見番で行われた。


私は踊りの出番はなく、小咄で出演。
あとは舞台の幕引き係、というか、メインは裏方の仕事だ。
なにせ男手が足りないので、お手伝いするより仕方ない。
また、宗家である高島屋こと四代市川左團次丈と、
萩井流家元の萩井栄秀先生には
ひとかたならぬお世話になっているので、
これくらいでお役に立てればお安いご用だ。
それに、袖でいろんな踊りを見ることができるのも勉強になる。
「こんなふうに踊れたらカッコイイなぁ」なんて思いながら見ている自分に驚く。
若い頃は『踊り』なんて、ちっとも興味なかったからなあ。
あと、今回驚いたのは、
自分の出番前に高座布団を自分で持って出ようとスタンバっていたら、
宗家の高島屋が袖に飛んでいらして、
私から座布団を奪うと、縫い目を確認しながら、（縫い目のない方が正面）
「師匠にそんなことさせるわけにはいきませんから、座布団の支度は私がします。」
と、あの渋い声でおっしゃる。
私が、「こちらこそ宗家にそんなことしてもらう訳にはいきませんから、勘弁してください！」と言うと
「シャレだから。」とニッコリ。

そして、本当に私の座布団を舞台に支度してくださった。
もちろんお客様は大喜び！
袖でも、かっぽれの桜川千代助師匠が
「生志さん、こんな贅沢な高座返しは二度とないよ。」と、
『いいモノ見せてもらった』とばかりに喜んでいらした。
茶目っ気たっぷりの高島屋は舞台でも楽屋でも格好いいんだよなぁ。
楽屋で、「１０月は御園座、なんてことありませんよね？」と尋ねたら、
「名古屋だよ。」のお返事に驚いた。
昨秋、私は滅多にない大阪での仕事があり、
高島屋もちょうど大阪松竹座に出演なさっていたので
松竹座の楽屋を訪ねたら
キタやミナミに連れて行ってくださったのだ。
１０月に名古屋で仕事があるので、まさかと思って聞いてみたら、
そのまさかなんだから、そりゃ驚くよ。
「ではお芝居を拝見しに…」と言う私の言葉を遮り、
「芝居なんていいから。どこかイイ店探さないとなぁ。名古屋じゃ行く店はもっぱら〇〇〇〇〇だから。」
と、関西地区中心の定食チェーン店の名前をあげ、
「あそこはご飯お代わり自由なんです。　…お代わりしないんだけど。」
って、もう、マジだかシャレだかわからない。
でも、わざわざ立ち上がって、
楽屋に掛かっていたカレンダーをめくって、１０月を黙って見ていらっしゃる。
私も慌てて立ち上がり、
「この日が仕事なんで、この日に伺おうと思います。」
と、カレンダーの数字を指差しながら言うと、
黙ったままゆっくりと元の場所に座りなおして、煙草に火をつけられた。
これで名古屋の予定は決まり！暗黙のうちに…。
「では何日にいらっしゃい。」
なんて念を押すような野暮なことはおっしゃらない。
ただ、高座返しのお礼を言うと、
「いいえ。これでご飯をご馳走になれるんならお安いことで。」
と、笑いながらおっしゃるので、
私が「もちろん、おまかせください。〇〇〇〇〇の冷しゃぶ定食。ご飯お代わり自由です！」
と、先ほどの定食チェーン店の名前を言うと、
『なんでぇい』てな顔をしながら、
「ぷっ！」と軽く吹かれた 。
ちょっと嬉しい瞬間。

そんなこんなで、萩井流の皆さん、お疲れ様でした。
特に、もう一人の男手シュウちゃん、お疲れ様ぁー！

コメント 8

いつか、生志さんの踊りが見てみたいです。
ちなみに、明日の『笑点Jr.』の観覧行きま～す。
by 山里バンビ (2009-08-24 15:38) 

本日・8月24日付の毎日新聞の夕刊芸能面に、横浜にぎわい座の
「ひとりブタじゃん」の寸評が出てました。
もちろん私も観に行ってましたが

『当人も言う「何も中身のない」この噺の眼目を十分
こなしたのは、生志本人の「いい人」の個性が大きい。
これは武器だ。』

という辺りを読んで、あぁ、そう言われれば「いい人」っぽさ
存分に出てたよなー♪
と、妙に納得し直してしまったのでした。
来週の「ひとりブタ」を前に良い記事読めてヨカッタ～

(だけど、記事の見出しが『8日・横浜にぎわい座』となってて
そこは減点10です → 毎日新聞さん)
by 豊島区民 (2009-08-24 20:58) 

やっぱり何年たってもいい人なんだぁ～うれしいな
by kumi (2009-08-24 23:58) 

私も生志師匠って「いいひと」だなぁと前から思っていましたが、皆さんが同じように生志師匠のことを「いいひと」と感じてくれていて、とっても嬉しくなりました。早く９月にならないかな。早く生志師匠の落語が聴きたいです。
by 芍薬 (2009-08-25 00:14) 

私は、ちょっと違う感想です。尊敬できる方がもう一人いらっしゃったんですね。憧れや尊敬できる方が身近にいるって羨ましいです。目標になるし、常に上を向いていけますよね。あ、うんの会話も男っぽい、しつこくなくていいですね。私だったら、スケジュールに書いても不安かも・・・
　たらちゃんさんが遠慮なくと書いてもらってたので、この前のラジオの感想をもう一つ。立川流の呼吸みたいのがあるのかな。談春さんの間合いとか、言葉のないとこが生志さんにもあるような・・・感じを受けましたよ。
　ところで、バレーの選手宣誓、監督を受けてくれた人がやってくれました。じゃんけんしようと思ってたら、「もう私に決まった」という人。「せめてじゃんけんしましょう」と言ってたら,「もう言うこと考えてるけん」といってくれました。さすが、スポーツマン。残念ながら、宣誓のように１勝も出来ませんでした。優しすぎるんですね～戦いになってない（泣）山里バンビさん笑点jr.どうでしたか？テレビも見れないから感想教えてください。
by 奈瑠実 (2009-08-25 21:06) 

覚えていてもらえたかしら・・・？とーってもご無沙汰しています。ご活躍ぶりをいつも嬉しく拝見していました。この夏、また夫の転勤で東京に引っ越してきました。またナマ生志さんを見に行きたいなぁって思っています。再会を楽しみにしてますよ！！
by 同級生の晴美です (2009-08-26 01:05) 

『笑点Jr.』の観覧の感想ですが、奈瑠実さんのように観覧にも行けなくて、番組もご覧になれないという方も多いと思うので軽く感想というか説明をしたいと思います。

収録は15時半から19時近くまで行われて、2回放送分の収録があります。
「ショート落語」、「落語」、「大喜利」、「こいつは凄芸」という4つのコーナーがあって、「落語」と「こいつは凄芸」のコーナーにはゲストの方が出演されます。

ちなみに「こいつは凄芸」というのは、芸人さんがゲストで出て来て『笑点Jr.』のレギュラーの方々が、そのゲストの方の芸をマネるコーナーでゲストがマジシャンだったらマジックをしたり、漫談とかなら、みんなで漫談をやります。

あと、以前、生志さんがブログに写真を載せてくださった「コント」のコーナーは観覧の時には収録がなく、私自身も番組の放送が見れない環境なので、どのような感じになっているのかは、よくわかりません（笑）。

平日の昼間なので、観覧に来られる方は横浜在住のお年寄りの方が多く、出演者の方はもちろん、スタッフの方、そしてお客さんなど、みんなのんびりとした感じで、会場内はアットホームな雰囲気があって、とっても楽しいんですよ。

みなさん、なかなか観覧に行けないかもしれませんが、本当に楽しい空間なので、もしお時間に都合がつくようでしたら、是非一度、遊びに行ってみてください。

なんだか長々と書いてしまって、すいません．．．。
by 山里バンビ (2009-08-26 18:48) 

山里バンビさんありがとうございます。笑点ｊｒ。話題ばかりで内容がわからずさびしい思いをしていました。（ちょっと大袈裟？！）収録時間も長いですね。暖かい雰囲気の会場。抽選とかじゃないんでしょうか？気軽に行ける場所があっていいですね。福岡はそんな面ではまだまだなんでしょうね。次回の感想も是非お願いします～

ところで、今朝、エフエム福岡で６歳の男の子がおじいちゃんのために始めた落語で賞をもらったという話をしていました。去年も博多・天神落語まつりに行ったという話をしていたアナウンサーの西川氏。生志さんと同じ福岡大学ですよ。エフエム福岡に生志さん出ないかな～年は、一回り違うけど落語好きのアナウンサーさんです。話はつきないと思うけどなあ～。


by 奈瑠実 (2009-08-26 22:32)